さくらちっぷ

駆け出し同人サークルのブログです

街道について その1

なんらかです.

昨日おサボりしたので,今日は倍書きます.


今回は街道について書きます.


航空機の発達していない時代では,当然ですが人は地面を歩く必要があります.

それは地球でも異世界でも同じです.


すべての道はローマに通ずという言葉がありますね.

それだけローマ帝国は街道を作っていたということです.


ローマ時代における建築物で,もっとも文明発展に寄与したのは間違いなく街道です.

コロセウムなどに代表される歴史的な建築物は,現在でもその形を残しています.


しかしもっとも長い時代において活躍した建築物は,街道です.

国が滅び,城が壊されても,街道は壊されませんでした.

役に立つからです.


街道を行き来するのは何も人や物品だけではありません.

思想や哲学,芸術など,ありとあらゆる「知識」が,街道を通じて様々な国へ伝わったのです.

ヨーロッパ圏において主流な宗教であるキリスト教も,街道を通じて広がりました.

街道は,偉大なる建築物だったのです.


これらの街道は中世においても再活用されることになります.

ローマ街道は,主に港や軍の拠点を繋いでいました.

なので後に栄えた街や都市には,こうした主要な街道から側道を伸ばしました.


街道は経済の要です.

当時旅をできた人間は少なかったとはいえ,軍や貴族に届ける品は全て街道を通っていました.

積荷の中身は,庶民の命よりも価値のあるものとして扱われていたのです.


封建制度が確立すると,領主たちはこぞって街道を支配しました.

街道の利権を手に入れるためです.

権力者は街道を手に入れることで,治安維持を名目に通行人から関税や通行料を取っていました.


実際には,領地全体の広大な街道を全て管理することは不可能です.

なので当然,治安維持は行き届いていませんでした.

街道を歩く際には,盗賊や野盗,仕事のない傭兵隊から襲われるリスクが常につきまとっていたのです.


また当時は現代のようなコンクリートアスファルトなんてありません.

良くてレンガ敷きがせいぜいです.

殆どの道は未舗装であり,旅人や馬車は石ころ混じりの土の上を歩かなければなりませんでした.


開拓も進んでいませんから,土砂崩れや倒木が起きたら大変です.

人は障害物を避けて進めますが,馬や荷物は通れません.

地面は当然土ですから,雨が少し降るだけで表面がドロドロになります.

雨が降ったら,人はどこにも行けなかったのです.


これほど劣悪な環境であっても,人々は街道を使いました.

当時の「道」は,街道か運河しかなかったのです.

無論,運河もまた領主の管理対象になりました.


「道」はどの時代においても,政治や経済における重要なファクターだったのです.