さくらちっぷ

駆け出し同人サークルのブログです

TSFについて

なんらかです


最近忙しいせいか,なかなか記事の題材が思いつきません.

そうして無難な中世ファンタジー考察に走っているわけです.

しかしそっち方面のネタもなかなか思いつかないものですから,ブログの更新とは難しいものですね.


なので今日は趣旨を変えて,性転換,TSFについて書いちゃいます.

女体化です.

♂ → ♀ について書きます.

♀ → ♂ については,今回は触れません.


最初に言いますが,私,女体化ネタが大の好物なのでございます.

特に 20歳以上のおにいさん・おっさん → ロリ のシチュエーションがたまらなく好きなのです.


TSFを題材にした大体の作品では,基本的に中高生がTSするというパターンが王道です.

そして基本的に同年代の女子になるわけです.

またTS前の男がおっさんであっても,基本的にはみんな清楚系美少女になるのです.

そして大抵はアンジャッシュ系(勘違い系)ラブコメになるか,アダルトコンテンツであれば女の肉欲に溺れるというのが王道のシナリオです.


しかし私はこういった王道パターンが好きではありません.

なぜなら私はロリコンであり,結構なバイセクシャルであり,それなりなホモであり,百合厨だからです.(もちろん創作物上の嗜好ですよ(保険))

さらにはロリババアも大好物なのであります.

TSFにハマったのは,こういった需要を満たすためと言っても過言ではないほどです.(もちろん現実に持ち込みたいわけではないですよ)


なので当然,どんな男でもTSFしたら幼女になるのが私の世界観です.

TSFしたら何が何でも幼女にします.

それを達成するために壮大な世界観を用意します.


しかしよく考えなくても,中身が20超えた男の幼女というのはなかなかに奇妙なものです.

見た目は子供,頭脳は大人なわけです.

さらに言うと,見た目は子供,欲求レベルは大人なわけです.

つまりは子供の価値観と大人の価値観のギャップがまず入ってくるわけですね.


TSFしているのですから当たり前ですが,年齢のギャップに加えて性差のギャップも存在します.

幼女にTSFするとなると,そのキャラクターにはこの2つの大きなギャップが襲い掛かってくるのです.

今日はこの内の,性差のギャップについて扱います.


女になれば,当然周囲からは女として認識されます.

つまりは性の目線にさらされるわけです.


今「ちんちくりんに興奮するやつなんて少数派だろ」と思った方.

現実世界を題材にしたTSFであれば幼女に手をだすことは禁忌ですが,異世界ファンタジーであればそうとも言い切れないかもしれません.


中世ではむしろ,10歳前後であっても性の対象になることが普通でした.

むしろ娼館で働いていた層は,こうした年齢の子供たちだったりもします.


理由としては非常に簡単で,女性は畑仕事において役に立たない(と言われていた)からです.

せっかく子供を産んでも,男の子でなければ家の稼ぎを増やしてくれないのです.

それでも当時の庶民は非常に貧しかったものですから,畑仕事の出来ない女の子たちは親の指示で娼館に行くこともあったのです.

娼館は当時,教会から正当な職業として認可されていました.


ちなみに当時,結婚が可能となる年齢は男性は14歳,女性は12歳であったそうです.

戸籍の管理などロクにされていない時代ですから,実際にはもっと低い年齢で結婚するケースもあったことでしょう.

今ではとても考えられない世界ですね.


娼婦はある程度の稼ぎを得たら,普通の生活に戻っていきます.

そして大抵は結婚をして子を産む未来に進みます.

中世では一人あたり平均4~5人は産んでいたそうですから,


また女性の新生児は意図して間引きされていたという節もあります.

中世はどこまでも女性に厳しい世界だったのです.


社会制度が発展していない文明は,宗教の大幅な介入がない限りは大体が男尊女卑社会です.

男性の方が基本的に力が強く,また子供を産むのは女性だからです.

生々しいファンタジーを描く上では,こうした部分も考えて描写する必要があるのではないでしょうか.


逆に,男女平等のキレイなファンタジーを描きたいのであれば,生物としての能力が男女で均一になるように魔法などの設定を決める必要があります.

もしくは文明レベルが高い時代を舞台にするかの二択です.


別の解決方法としては,女性以外の被差別階級を設定することです.


他種族が入り混じったファンタジーでは,種族間での差別も当然あります.

現代でも肌の色でいがみ合っているくらいですから,耳や体型,体毛などの外見が大きく違う種族は差別の対象になると考えるのが自然です.

ましてや寿命や能力までもが違うのですから.


なんだかTSFについて書いているつもりが娼婦や奴隷の方へ流れしまいましたが,今回はこのへんで終わります.

 

蘇生魔法

なんらかです.

今回はファンタジーにおける死について書きます.


ファンタジー世界を舞台にしたゲームでは,しばしば蘇生魔法などが登場します.

例えばドラゴンクエストでは体力が尽きると「しに」状態になります.

棺桶に入れられ,本当に死んでいるわけです.

生き返るためにはザオリクなどの蘇生呪文を唱えたり,教会でいきかえらせてもらったりするしかありません.


ドラゴンクエストではこの蘇生に対し,「教会で蘇生できるのは導かれし者とその仲間だけ」だったり,「致命傷を受けても仮死状態で生き残る」「肉体の傷を魔力で無理矢理ふさいで魂が肉体に還るチャンスを与える」といったり,いくつかの説明がなされています.

これらはゲーム的な都合で存在している「蘇生」を,なんとか齟齬を抑えて説明している例でしょう.

でなければメガンテで粉々になった人物を蘇生できるはずもありません.


ドラゴンクエストの世界であっても,実際にはパパスの様にぬわったらそこで人生終了なのが正しいのではないでしょうか.

「教会で蘇生できるのは導かれし者とその仲間だけ」という設定は,使命を与える上位種側の力で説明出来ているので,齟齬はあまりないですが.


ともかく,蘇生というのはとても設定を考えるのが面倒くさいものなのです.

現実世界では人は血を大量に流せば死にますし,心臓を潰されても死にます.

頭が吹き飛べば即死ですし,胴を切られても即死です.

さらに人は毒でも死にますし,寿命による死は避けようがありません.

そう考えると,ファンタジーであっても蘇生が可能なシチュエーションというものは非常に限られてくるはずです.


以下は心臓が一つしかない,普通の人間種について考えてみます.


普通に考えて,首が飛んだら蘇生は不可能です.

縫合する余裕もないでしょう.

そもそも胴や首,頭が切られた時点で蘇生は無理ですよね.

治療魔法によって腕や足程度はくっつくような世界でも,流石に脳天を叩き割られたら即死です.

特に真っ二つ系はほぼ確実にアウトだと考えて良いでしょう.

あとぺしゃんこもアウトです.


心臓が潰された場合も蘇生は難しいでしょう.

しかし魔法で第二の仮想心臓を作るなどすれば,もしかしたら延命・治療が可能かもしれません.

しかしできるできないにせよ,こうした治療ができる人材は限られていると言っても良いでしょう.


毒による死は,場合によっては蘇生ができそうです.

毒によって身体機能が維持できなくなり死んだとしても,毒を抜いて身体機能を再活性化するような魔法があれば蘇生が可能です.

ぶっちゃると,麻痺毒なんて食らったら基本的に死亡が待っています.

しかしファンタジーでは麻痺がポピュラーな状態異常だったりするわけですから,回復手段も文化として発展しているのでしょう.


寿命による死は,ファンタジーにおいても基本的に避けようがないと思います.

肉体側の延命が可能な世界観でも,大体の作品では「精神が死にたがっている」などの表現で蘇生が不可能であることが多いです.


そのほかにも,戦闘不能の考え方を変えてみるのも良いと思います.

蘇生手段は聖属性の神秘であると,だいたいの作品で相場は決まっています.

この例で行くと,魔物に倒された場合,死ぬのではなく身体が魔に汚染されてしまうので治療の前に浄化が必要,などとすれば教会で戦闘不能の治療ができるにも納得ができます.


いっそのこと,重症で戦闘不能に陥った,気絶したなど,マイルドにするのも手ですよね.

むしろ最近はそうした傾向が多いようにも思います.


蘇生手段は作品内の「死」の価値観を狂わせますから,シナリオ上非常に都合が悪いわけです.

「戦闘不能=死」とは出来ない以上,代替案が必要となります.

こうした場合,大体のゲームでは「死亡=ゲームオーバー」や「気絶」とするのです.

シナリオに強く絡まないキャラクターであれば,キャラクターロストしたりもしますが.


そうはいうもののやはりゲームですから,ゲームバランスとして蘇生手段にもバリエーションが求められるわけです.

成功率だとか,復帰後のHPだとかで,蘇生手段ごとに差を設定するのはRPGの基本ですよね.


エルミナージュ等,一部の作品は死体から灰になって,その後キャラクターロストするようなものもありますが……


私の世界では,蘇生は基本的に存在しません.

仮死状態からの治療は可能ですが,ぺしゃんこ系や真っ二つ系は即アウトです.

心臓破壊系は,場合によっては駆け込みセーフです.


どちらにせよ,魔法でできることは「蘇生」ではなく「致命傷の治療」であるということです.

人間の形を保てていないのであれば,基本的に治療は不可能です.


「死」について書くと,書くことが多すぎて全部は書ききれませんね.

「死」は人間だけでなく,モンスターや聖獣,時には神などの上位種にでさえ存在します.

MMORPGみたいに「モンスターは死んだら金と素材を落として霧になる」なんて冗談は,そうそうできることではないのです.

 

ファンタジーのお風呂

なんらかです.

今日はファンタジーのお風呂について書いていきたいと思います.


悲しいことに,中世ではお湯に浸かるという形式での入浴は一般的ではありませんでした.

基本的に,中世の入浴とは水浴びのことを指します.

貴族から庶民まで全員が温水で入浴していた国は,日本以外にはアイスランドぐらいしかなかったのです.


中世ヨーロッパでは,人々はそもそも清潔さに敏感ではありませんでした.

むしろ自己犠牲=信仰として不潔を好むケースが存在するほど,ヨーロッパは不潔だったのです.

これには入浴場を整備すると,男女のみだらな交わりが増えてしまうという問題が絡んでいました.

教会はこれへの対策として,男女の入浴時間に差を設けたり,入浴施設を閉鎖したりしました.


そんな文化なのですから,当然中世では入浴をする機会も多くありませんでした.

基本的には,朝に水浴び(それも洗顔だけ)をする程度です.

夜に入浴するという文化はありませんでした.


風呂桶は二人分の大きさをした,円形のたらいです.

しかし桶を用意するのは貴族ぐらいなもので,庶民が本格的に水浴びをする際は,川や湖に行く必要がありました.

また,宿では大きな風呂が用意されることもありました.


中世では,入浴するのは決まって朝です.

夜に入浴すると,追い剥ぎにあう可能性が高いからです.

当時,ろうそくは貴重品だったので,夜に明かりを灯すことは金持ちにしかできなかったのです.


夜に入浴する文化を持っていたのは,貴族と,そして娼館ぐらいのものでした.

娼館では事に及ぶ前に,まず入浴していたのです.

大衆向けのお風呂屋では娼婦の勧誘や斡旋が平然と行われていました.

教会が介入しているとは言っても,多くの入浴場はまだ混浴だったのです.

 

中世の臭いお風呂事情はここあたりで切り上げましょう.

なにせ,中世の入浴文化は古代ローマの時代よりも劣化しています.


ローマ人は入浴が大好きでした.(テルマエ・ロマエはそれを題材にしていますね)

実際に好きすぎてみんな堕落し,売春や飲酒が横行しました.

お風呂は男の物だったので,同性愛も盛んでした.

ローマ帝国崩壊後,ヨーロッパから入浴の文化が消え去ったのはこのためです.


蒸し風呂がポピュラーな地域もありました.

特に中東や中央アジアでは冷水の入浴ができないため,焼け石に水を書けてサウナを作り出していたのです.

 

では遅くなりましたが,ファンタジーのお風呂はどうなのでしょうか.

当然,魔法万能論なので温水での入浴は世界中で行われていることでしょう.


しかし現実史と大きく違うのは,シャワーの存在でしょうか.

中世では,シャワーというものはほとんど使われていませんでした.

ちなみにシャワーの原型は16世紀ごろにようやく出現したようです.

シャワーがまともに運用されだしたのは,実に20世紀に入ってからだったのです.


ファンタジー世界では,水を生み出す魔法や炎魔法を応用して,簡単にシャワーを生み出すことが可能でしょう.

むしろ浴槽に浸かる文化より,シャワーを浴びる文化の方が先に発達したかもしれません.

桶を作って水を貯めるよりも,高所に魔法で水源を作って水を浴びたほうが楽ですからね.


また身体を乾かす文化もすぐに発達したことでしょう.


中世ではタオルもリネン製ですから,吸水率がとても悪かったです.

そのため何度も布を絞って身体を拭きました.

乾ききらない分は,暖炉の前にいって乾かしました.


しかしファンタジー世界では,炎魔法と風魔法を応用すれば簡単に全身にドライヤーがかけられます.

シャワー文化の先行とあいまって,清潔好きな人が多かったことでしょう.


シャワーを浴びた後,魔法を唱えながら髪を降って乾かす.

とってもファンタジーですね.


ハンズフリーかつ一瞬で水が飛ぶのですから,手ぬぐいやタオルの文化は発達しないのかもしれません.

布は主に衣服や寝具,テーブルクロスなどに使われることでしょう.

その場合,ハンカチやタオルは皆,雑巾として扱われるのではないでしょうか.


いっその事,布が貴重な世界にしても良いかもしれません.

鉄よりも布の方が高価な世界であれば,より一層,魔法を使った日常生活が身近になることでしょう.

 

 

ファンタジー世界の飲酒

なんらかです.

今日はファンタジー世界における飲酒について書いてみます.

まず断言しますが,中世と違い,ファンタジー世界では水代わりに酒を飲む必要はありません.

中世ヨーロッパでは水は硬水しかなかったため,飲用には適していませんでした.

なのでエールやワインを水代わりにしていたのです.

しかしファンタジーでは違います.

仮に地下水は全部硬水であっても,安全な水は魔法で作れば良いのです.

逆に言えば,魔法のある世界でわざわざ麦やぶどうを発酵させるよりも,魔法や錬金術,調合術などで安全な水を作ろうと考える方が自然であるということです.

ではお酒はファンタジーには存在しないのでしょうか?

いやいや,酒の存在しないファンタジーなんてこの世に存在しませんよ……とも言い切れないのではないかと,私は思います.

とにかく魔法というものは便利なもので,アルコールの代わりも出来てしまいます.

例えば意識を混濁させる魔法や,気分を高揚させる魔法.

これらを"薬"として水の中に混ぜ込んだらどうでしょうか.

魔法のアルコールの完成です.

いや,魔薬と言うべきでしょうか.(おい)

地球の文明史では,アルコールの発見は偶然の産物です.

きっと異世界においても偶然にアルコールが発見されることでしょう.

しかし代用品があるのであれば,醸造や蒸溜のプロセスを踏まなければならないアルコールをわざわざ常飲する必要もありません.

アルコールは,魔法薬学や錬金術の"材料"として扱われるのが自然なはずです.

ともあれこのようにお酒が飲まれないファンタジー世界を想像してみたのですが,予想以上に味気がなさそうな気もします.

剣と魔法のファンタジーにおいては,冒険者は酒場にたむろするのです.

集会所や食堂ではなく,酒場に集まるのです.

日本では犯罪の未成年飲酒も,ファンタジー世界なら許されるのです.

童顔で身長が140cmにも満たない女の子が,カウンター席に座っていっちょ前にワインを嗜むのです.

これがファンタジーなのです!!

中世ヨーロッパベースでお酒を考えると,やはり酒場では樽にお酒が入っているものです.

しかし当時のガバガバ樽はかなり空気を通すので,ワインはすぐに酸化してしまいます.

がっつりと酸化したワインは正直,まったく美味しくないです.

だから当時の人々はショウガやハチミツを入れて味をごまかしていたのです.

胡椒などの香辛料を入れたり,ときにはハーブを入れて薬酒にすることもありました.

またドギツい味なので,水やお湯で割って飲むことも一般的でした.

現代ではワインを割って飲む人は少ないと思います.(正直,割ると美味しくないですし)

ではファンタジー世界のワインは,中世と同様にワインは酸化していたのでしょうか?

私の答えはNOです.

ワインづくりが発達した地域では,きっと王家や皇室に献上する高級ワインを作るために,様々な努力がなされていたことでしょう.

中世ではビンが存在しなかったため,献上品であってもワインは酸化し放題でした.

しかし魔法があれば,密閉率の高い樽を作り出すことも可能でしょう.

ワインを酸化させずに国王のもとに届ける.

国王はきっと,その素晴らしい技術を広めてくれることでしょう.

またこうした最上級ワインを護送するような依頼も舞い降りて来そうです.

樽一つで人が買えるなら,ワインは盗賊たちの格好の餌食です.

他にも国境を越えて密輸するなど,公には頼めないようなシチュエーションも考えられます.

逆に盗む側になってみるというのも面白いですね.

こんなときに,冒険者へ依頼が来るのです.

もちろん,報酬はその極上ワインです.

「おい,今度の依頼,聞いたか?」

「ああ,○○村の……"アレ",だろ……?」

「へっ……俺たちは運が良いぜ……なにせ今回のは10年モノだって聞いてるんだからよ」

「ええっ!? マジかよ!!」

「しっ! ……声がデケェって」

「ワリィな,へへ……つい興奮しちまってよ」

まさにファンタジーな酒場のワンシーンですよね.

お酒のために身を張るのは,現実でも異世界でも,きっと変わらないことなのでしょう.

私はそう信じます.

宿屋

なんらかです.

今回は宿屋について書いて行きます.


ファンタジーにおいて冒険者たちが寝泊まりする場所は「宿屋」であることが多いですよね.


宿屋の一階は酒場で,二階が宿.

駆け出しの冒険者は一部屋4人or6人で,藁敷きの二段ベッドで眠りにつく.

なんともファンタジーな雰囲気です.


では中世ヨーロッパでは,宿屋と言うものはどういったものだったのでしょうか.


そもそも中世ではそんなに旅人が多くなかったので,専業の宿屋と言うものはほとんどありませんでした.

明確な目的を持って旅をしているのは巡礼者くらいです.

専用の宿は,巡礼者向けの修道院程度しかありませんでした.

巡礼者を除くと,旅をするのは学生や行商人くらいだったのです.


宿の多くは食堂を兼ねていて,一階が食堂,二階が宿でした.

現代のホテルや旅館などでは朝食や夕食のサービスがついてくるのが当たり前ですが,当時はそういったサービスはほとんどありませんでした.

夜中などにお腹が空いたら,食事は自分で用意する必要があったようです.


部屋もほとんどが大部屋で,個室はありませんでした.

これは先日の寝具の記事でも書きましたが,中世では複数人で寝るのが当たり前だったのです.


宿によっては性別で部屋がわけられていないこともあったようです.(娼館でなくても,です)

当たり前ですが,当時は男尊女卑社会でした.

女性を保護するような法律も,社会的な仕組みもなかったのです.

こうした宿に泊まった女性がどうなるのかは,現代人でも想像がつきますよね.(そしてそれは多分,現実のものになっていたことでしょう)


さらに言うと,当時はトイレの文化も未発達でした.

仮にあったとしても,男女で別れているということはなかったでしょう.


キリスト教も当時は男尊女卑でしたし,仮に貴族で資金が潤沢でも,女性というだけで大変な思いをすることが多かったのです.

そのため,女性が旅をすることは,それ自体が大変なことだったのです.


ではファンタジーではどうでしょうか.

私の考えとしては,異世界でもやはり似たような環境なのではないかと思っています.


ファンタジーの酒場を想像すると,きっとそこにいる人物の多くは男性なのではないかと思います.

冒険者の大半がこうした酒場兼宿に宿泊しているとしたら,冒険者の男女比率は男性に大きく偏っている事になります.


つまり女性の冒険者は,よほどの腕が立つ人か,個室に泊まれる資金を持っている人に限られるのだと考えられます.

もしくはギルドなどが女性を囲い込んで,建物レベルで男女が区別されるのだと思います.


これらが満たされていない環境で女性が冒険者になるには,6人部屋をパーティーで埋められるような,大人数で行動しなければなりません.

しかし,そんな大人数でパーティーを組むケースは非常に稀だと言えます.


冒険者の稼ぎの多くは,依頼主からの報酬です.

一般にその稼ぎはメンバーで等分にされるはずです.

すなわち,大人数のパーティーでは一人あたりの稼ぎが目減りしてしまいます.

稼ぎの良いパーティーなら良いですが,男から身を守れない,普通の実力しかない冒険者ではまず無理でしょう.


こういった背景が,女性の冒険者が少ないという実態を生み出しているのでしょう.

布団・寝具

寒くてまともにタイピングができないなんらかです.

あまりにも寒いので,今回は布団について書きます.


現代の日本では,寝具のない生活はほとんど考えられません.

路上生活をしている方でも(むしろ路上生活者のほうが),毛布などの寝具を使用しています.

起毛が沢山付いて温かい毛布は,今や生活に欠かせない物であると言えるでしょう.


では昔の,布が高級品であった時代では,人々はどのような寝具を使っていたのでしょうか.


最古の寝具は,地面に木の葉や藁を敷いただけの簡素なものでした.

それでも細かな空気の層ができるため,最低限,睡眠時の断熱効果を得られていたようです.

他にも,獣の革なども寝具として使われていました.


しかし藁敷きの布団では,長期間使用ていると虫害が発生してしまいます.

ベッドの原型ができ,この問題が解決されたのはエジプト文明の時代でした.

当時はまだマットレスなどはなく,木のフレームに動物の革を張っていたようです.


その後ヨーロッパではベッドの文化が主流になり,庶民の生活でもベッドが主な寝具となります.


中世ヨーロッパのベッドは,とてもシンプルな構造をしていました.

箱に干し草を詰め,シーツをかけただけのベッドが,その大半を占めていたのです.

場合によってはシーツすらない時もありました.


また中世ヨーロッパでは,寝るときには家族全員がひとつのベッドで寝ていました.

プライバシーという概念が薄かったものですから,貴族であっても就寝時に一人でいることは少なかったようです.


シーツには主にリネン(亜麻,リンネル)が使われていました.

リネンはシーツ以外にも,衣服やテーブルクロスなど,沢山の使いみちがありました.

ちなみに下着を意味する「ランジェリー(Lingerie)」という単語の語源はリネン(Linen)だったりします.


とにかく中世ヨーロッパの生活は,藁,リネン,藁,リネン,藁……だったのです.


なお毛布(ブランケット)は14世紀以前から存在していたようです.

他にも寝具としてはキルト(羊毛や羽毛の入ったかけ布団)などもあります.

しかしこれらは庶民が使える物ではありませんでした.


ちなみに,寝具の一つとしてマントが存在します.

マントは防寒や雨避けの他に,寝具の代用品にもなります.

さらに縫合時にはパターンがとても簡単なので,誰でも作ることができました.

また,金属製のプレートは日光を浴びてものすごい熱を発します.

マントはそれを防ぐための,防暑具としても活用されていたのです.