布団・寝具
寒くてまともにタイピングができないなんらかです.
あまりにも寒いので,今回は布団について書きます.
現代の日本では,寝具のない生活はほとんど考えられません.
路上生活をしている方でも(むしろ路上生活者のほうが),毛布などの寝具を使用しています.
起毛が沢山付いて温かい毛布は,今や生活に欠かせない物であると言えるでしょう.
では昔の,布が高級品であった時代では,人々はどのような寝具を使っていたのでしょうか.
最古の寝具は,地面に木の葉や藁を敷いただけの簡素なものでした.
それでも細かな空気の層ができるため,最低限,睡眠時の断熱効果を得られていたようです.
他にも,獣の革なども寝具として使われていました.
しかし藁敷きの布団では,長期間使用ていると虫害が発生してしまいます.
ベッドの原型ができ,この問題が解決されたのはエジプト文明の時代でした.
当時はまだマットレスなどはなく,木のフレームに動物の革を張っていたようです.
その後ヨーロッパではベッドの文化が主流になり,庶民の生活でもベッドが主な寝具となります.
中世ヨーロッパのベッドは,とてもシンプルな構造をしていました.
箱に干し草を詰め,シーツをかけただけのベッドが,その大半を占めていたのです.
場合によってはシーツすらない時もありました.
また中世ヨーロッパでは,寝るときには家族全員がひとつのベッドで寝ていました.
プライバシーという概念が薄かったものですから,貴族であっても就寝時に一人でいることは少なかったようです.
シーツには主にリネン(亜麻,リンネル)が使われていました.
リネンはシーツ以外にも,衣服やテーブルクロスなど,沢山の使いみちがありました.
ちなみに下着を意味する「ランジェリー(Lingerie)」という単語の語源はリネン(Linen)だったりします.
とにかく中世ヨーロッパの生活は,藁,リネン,藁,リネン,藁……だったのです.
なお毛布(ブランケット)は14世紀以前から存在していたようです.
他にも寝具としてはキルト(羊毛や羽毛の入ったかけ布団)などもあります.
しかしこれらは庶民が使える物ではありませんでした.
ちなみに,寝具の一つとしてマントが存在します.
マントは防寒や雨避けの他に,寝具の代用品にもなります.
さらに縫合時にはパターンがとても簡単なので,誰でも作ることができました.
また,金属製のプレートは日光を浴びてものすごい熱を発します.
マントはそれを防ぐための,防暑具としても活用されていたのです.