ハーブ・薬草
30分って意外と短いなぁ……なんて想っているなんらかです.
今回は魔法世界のハーブ・薬草について書いてみたいと思います.
ハーブとは何か
ハーブの語源はラテン語のherbaに由来し,「野草」を意味していました.
現在では,ハーブは主に料理や飲料の香り付けに使われています.
ハーブの定義は色々ありますが,取り敢えず今回は香辛料や薬草(薬用植物)としての使いみちのある有用植物全般をハーブとして扱うことにします.
ハーブは,主にヨーロッパにおける薬用植物の呼び名であります.
ハーブや薬草は原始時代から人類の歴史に存在し,病気の治療や厄除けなどに用いられてきました.
文明が生まれた後も,各地で薬草園が作られ,その有用性から教会などでも栽培されていたのです.
その後,ハーブは医療や厄除けにとどまらず,保存料や香辛料のしての地位も確立していきます.
さらにはお酒に漬けたり溶かし込んだりすることで,薬酒が作られることもありました.
ヨーロッパにおいては,広い大地の中で食料を遠くまで運び,冬に食物を確保する必要がありました.
すなわち,食物の腐敗を防ぐ保存料としての役割がハーブに求められたのです.
元来,保存料としての役割はスパイスが担っていました.
しかしローマ帝国の崩壊などに伴いヨーロッパが荒れると,胡椒などのスパイスはとたんに高級品となってしまいます.
そこでこれらスパイスに代わるものして,ハーブが用いられたのです.
実際に胡椒代わりのマメグンバイナズナは「貧者の胡椒」と呼ばれたほどです.
ちなみにハーブとスパイスの違いの大体は,使用部位と効果の強度です.
ハーブは葉や茎を使うのに対し,スパイスは実や種子を使います.
もちろん,スパイスの方が香りも強く,少量でも強い効果を持っています.
ファンタジーのハーブ・薬草
ファンタジーでは,良く薬草が登場します.
そして「使う」と,体力が回復します.
ゲーム的な解釈をすれば,薬草を「使う」とHPが回復する,だけで良いのですが……
しかし実際の人物たちは,どのようにして薬草を「使う」のでしょうか?
多くの作品では食べるか煎じて飲むかすることが多いと思います.
設定によっては,包帯として使うと効果があったりもしますね.
こだわりの強い作品なら,成分を抽出して薬などにしないと「使う」ことのできないようになっている場合もあります.
ちなみに私はこれらが全部好きです.
なので私の世界では,薬草は余すところなくこういった使い方をされます.
豊かな国に住む市民が,朝に薬草を使ったハーブティーを飲む.
謎のツボに薬草を入れて薬を生成する.
軽く怪我をした冒険者が,悪態をつきながら薬草を噛む.
腕を切り落とされてしまい,応急処置として薬草を巻いて癒着を促す.
こんなシーンを想像するだけで,なんだかファンタジーな気分がしてきます.
きっとどこかの家では,香草をたっぷり使った料理が食べられていることでしょう.
ハーブや薬草の使い方は,無限大なのであります.
しかしハーブがこれだけ多目的に使われるのであれば,それなりの理由付けが必要です.
現実世界では,ハーブを噛んだだけでは傷が塞がることはありません.
生薬を塗ったらすぐに傷口が消えるわけではないのです.
ゲームではそこを描写することはできない(難しい)ですが,設定として補完することはとても重要です.
剣と魔法のファンタジー世界では,当然ながら薬草にも魔法などの神秘を適用できます.
すなわち,それっぽい理由があればなんだって良いわけです.(暴論)
例えば,薬草を食べることで薬草に宿る生命力を吸収できる.
そうした設定があれば,食べたその場で傷が塞がらなくても「HPが回復する」感はありそうです.
また生命力の高い草は,力が有り余って魔物化してしまったり,ひとりでに走ったりなんかしても良いですよね.
他にも人体を組成する成分を持った薬草があれば,すり潰した葉を傷口に塗り込むことで傷が塞がる,といったシチュエーションに説得力が増します.
聖なる祝福が宿った草なら,食べるだけで神々の癒やしを授かることができるかもしれません.