魔法・魔術の紹介
なんらかです.
今回は魔法・魔術の設定について公開します.
三元魔術
現行魔法世界における魔術大系で,炎,風,水の三属性からなっています.
虚無の吹雪によって旧文明が滅びた後,新興宗教となったアルマ教が提唱して広がりました.
三元魔術は,三属性の魔力を混合することで様々な属性の魔法を生み出す魔術です.
炎は風に強く,風は水に強く,水は炎に強く……
といった,三すくみを基礎に置くことで魔力循環を具体化しています.
こういった魔術大系は魔法文明において典型的で,四元素や五行と似たものと考えて問題ありません.
魔法世界ではこれら三属性に「霊」が宿ると考えられており,他の属性に比べ,特に神聖視されています.
アルマ教が提唱する魔術の目的は「調和」であり,これらの霊はそれを司る魔力の源泉として定義されています.
実際にその信仰から,炎,風,水の精霊も生まれています.
魔法の発動における原理は色の三原色に似ていて,三霊の比率によって属性を作り出します.
木魔法は風と水の混合属性です.
また四大元素とは異なり,土魔法は大量の炎に中程度の風,少量の水によって構築される混合属性の魔法です.
雷魔法は大量の炎に,大量の水と少しの風の霊を混合して生み出されます.
光魔法は炎属性に寄っている魔法で,聖魔法とは異なる属性を有します.
混ぜ込む霊力が等分になると聖魔法か無属性魔法,闇魔法になります.
三霊を調和させ,三すくみの順方向に魔力を循環させると聖魔法に
霊を自由に純粋に魔力を放出すると無属性に
調和を見出し,三すくみの循環を破壊すると闇魔法に
氷魔法
現行魔法世界における例外として,氷魔法は三元魔術に含まれません.
氷は非生命的な属性であり,数ある属性の中で一つだけ「零」に向かおうとする特殊な性質を持っています.
風魔法は魔力でエネルギーを生み出して風を起こします.
水魔法は魔力を原初物質化させて水を生み出し,操ります.
炎魔法は特にシンプルで,魔力をエネルギーにして燃やします.
これら三元魔術は全て「正」の向きに魔力を使用するという特徴があります.
そして混合属性の魔法も同様に,闇魔法も含めて全ての魔法において魔力が「正」の向きに使用されます.
しかし氷魔法は魔力によって熱そのものを奪い去る特性を持っているため,魔力が「負」の方向に使われます.
(実際には「負」ではなく「零」に向かうため,氷魔法は「静止」の性質を強く持っています)
この特性があるため,三元魔術の理論では氷魔法を再現することができません.
そのため現行魔法世界においては,セツナ(ユキナ)を除いて氷魔法を使う人物は存在しません.
これは虚無の吹雪により世界から雪や氷の概念が奪われた影響によるところも大きく,魔法世界人の全員が氷が何なのかを全く知りません.(クリスタルなどの結晶は知っていますが,水分子の結晶は知らないのです)
雨の原理の説明には本来氷の存在が書かせませんが,魔法世界においては水の精霊によって雲や雨が生まれると考えられています.
そして実際にその信仰が元になって雲や雨が作り出されるため,雲の中に氷は発生しません.
魔法世界においては,現実世界とは雨が降るメカニズムが異なっているのです.
外法
アルマ教の管理外にある魔法,すなわち三元魔術に含まれない魔法は全て外法扱いされます.
外法は基本的に教会の監視対象となっています.
氷魔法も外法の一つです.
他にも空間転移や時間操作などの時空系の魔法は,基本的に全て外法に該当します.
また古代語魔法も外法です.
特に古代語魔法は教会が優先して管理・秘匿している外法です.
これは古代語魔法が人の手で生み出された三元魔術以外の「魔術」であるため,教会が提唱した三元魔術の神秘性を損ないかねないからです.
一部の王家などに伝わる専用の魔法も外法の一部です.
これらの外法は教会によって認められることで,統治者の権威を示す魔術的なレガリアともなっています.
こういった外法は,秘法や奇跡と呼ばれて神聖視されています.
またジールの持つ大剣が持つ「魔力を打ち消す能力」も外法によってもたらされた物であると考えられています.
実際には「神格を否定する神器」という驚異的な性質の副産物なのですが.
ともあれジールの大剣は外法認定されているため,教会から非常に白い目を向けられています.
ジールが普通に生活できているのは,教会の支配が弱い帝国にいたから,という理由もあります.