杖について
なんらかです.
今回は杖について書いていきたいと思います.
現実世界において,杖は身体を支えるために用いられることが多いです.
しかしファンタジーにおいては,杖は様々な場面で魔術的意味合いを持ちます.
冒険者たちの一般的な魔法発動媒体から,国宝級の魔術兵器まで,杖という棒状の物質は魔法の象徴として扱われることになります.
暖炉に火を点ける際にも,民衆の多くが杖を使って炎を生み出すでしょう.
杖は身体を支える以外にも,細長くて丈夫な棒状の武器として扱うこともできますが,やはり一番の特徴は権威の象徴になるという点です.
特に王笏は,王冠,宝珠と並ぶ典型的なレガリアの一つになります.
これらのレガリアは国を治める君主の証になりますから,建国からの歴史や民衆の信仰を吸い上げ,かなりの魔術的な格を宿すことになります.
王笏にかぎらず,杖は裁判官や司令官,神官など,ありとあらゆる場面で権威の象徴として扱われています.
魔術文明における象徴としての杖が持つ力は,単なる象徴の域にはとどまりません.
民衆が日常的に使用する杖とは一線を画す「格」がなければ,権杖はその権威を示すことができないからです.
魔法大国の王笏や教皇の司教杖は,特に支配的な力を持っていることでしょう.
逆に魔術信仰の薄い国では杖がレガリアにならないこともあります.
そういった国では対比として盾や剣が象徴となることでしょう.(私の世界における帝国もそういった国の一つです)
一方て日常的に用いられる実用的な杖も,魔法世界においてはたくさんの種類が存在します.
簡易的な魔術に用いられるタクト
魔法戦闘における補助的な役割をもつケインやワンド
片手持ち主兵装としての意味合いが強いステッキ
高い出力を持つ長杖として,ロッドやスタッフ
サイズや用途で明確に分類分けされるぐらいには,魔法文明における杖の重要度が大きいということですね.
また物理攻撃用の護身具として杖が使われることもあります.
人数の少ないパーティにおいては,専任魔術師にも杖術・棒術の心得が必要となるでしょう.
修行僧や修験者が持つ杖として,錫杖というものもあります.
杖の先端に6または12個の小さな輪が通してある杖で,杖の頭部を輪形(りんけい),小さな輪を遊環(ゆかん)と呼びます.
仏教ライクなファンタジーでなければあまり扱われることの少ない印象がある錫杖ですが,私は結構好きです.
むしろ西洋風ファンタジーの世界であっても,杖が生活の身近にあるのであれば,バリエーションの一つとして登場してもおかしくないと言えるでしょう.
実際に私の世界では魔術用の錫杖を「術錫」と呼び,マジックロッドの一種として扱っています.(主人公の主兵装です)
今日はここあたりで終わります.
年末年始は忙しくなるので,気が向いたら更新します.